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#05「3keys」に聞く、ソーシャル・イノベーションを起こすために大切なこと

「みてね基金」第四期 イノベーション助成の公募は終了しております。(2024年1月10日追記)

「みてね基金」では現在、第四期 イノベーション助成の申請を公募中です。

イノベーション助成は、革新的な解決策のアイデアと実行力を持っている団体に、その取り組みを進めるための、1団体最大1億円のまとまった投資的資金を提供するプログラムです。

「みてね基金」では、より多くのNPOの皆さまに助成申請をご検討いただきたいと考え、第二期 イノベーション助成で採択した7団体に、「ソーシャル・イノベーションを起こすために大切なこと」に関する3つの質問にお答えいただきました。

全7回に渡り、各団体が考える「ソーシャル・イノベーションを起こすために大切なこと」をお届けします。

5回目は認定NPO法人3keys」代表理事 森山 誉恵さんです。

「みてね基金」第二期 イノベーション助成事業概要

Q. 現在取り組まれているイノベーション助成事業において、イノベーションを起こすために重視しているポイントを教えてください。

A. 国によって、公助・共助・自助のバランスは異なりますが、日本においては、自分のことは自分及び家族で支えるという自助が強い社会になっており、自分及び家族の様々な余裕(経済的、人的なつながり、精神的な余裕、学力等の知的資本等)がどれくらいあるかによって格差が生まれやすい超資本主義社会だとも言えます。NPOや行政の活動は、共助や公助の拡大につながるように見えますが、「力のある子や、大人から見てストーリーのある子を支援する」ことは、ある種の資本主義的な考え方、すなわち自助を助長することになります。公助・共助・自助を適切なバランスに戻すイノベーションになっているかについて、重要視しています。

Q. イノベーションを起こす上で、団体や組織としてどうあるべきか、イノベーションを起こす団体に必要な要素とは何か、についてご意見をお聞かせください。

A. 自分たちがやるべきことと、自分以外の人たちにやってもらうことの線引きを大事にしています。NPOが事業を拡大することは、一見共助の拡大に見えますが、莫大な資本力を持ったNPOが地方のNPOや自治体の力を奪う可能性もあります。東京にあるNPOは、他の地域にあるNPOに比べて資金や人を集めやすいですが、各地域のNPOの力を奪うのではなく、各NPO自らが難しいチャレンジに取り組み、力のあるNPOが各地域のNPOの主体性を促す形に還元していくところまでを設計することが大切だと考えています。

Q. 最後に、貴団体にとってイノベーションとは何か、を教えてください。

A. 私たちが支援している、虐待等で親や家族に頼れなかった子どもたちは自分たちの声を持っていません。そういった子どもたちの声なき声を拾い、その声を代弁して、支える仕組みを社会に増やすことは、利益にもならず、成果につながるまでの時間を有します。そんな息の長いものに向き合い続け、モデルとなる事業を行うことが、比較的恵まれた東京にいるNPOとしての使命だと思っていますし、イノベーションなのではと思っています。


森山さん、ありがとうございました。

次回は「認定NPO法人テラ・ルネッサンス」海外事業部 アフリカ事業 ブルンジ事務所長 川島 綾香さんです。

  1. 特定非営利活動法人みんなのコード

  2. 認定NPO法人フローレンス

  3. 認定NPO法人キッズドア

  4. 公益社団法人東京子ども子育て応援団

  5. 認定NPO法人3keys

  6. 認定NPO法人テラ・ルネッサンス

  7. 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン


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