#04「東京子ども子育て応援団」に聞く、ソーシャル・イノベーションを起こすために大切なこと
「みてね基金」では現在、第四期 イノベーション助成の申請を公募中です。
イノベーション助成は、革新的な解決策のアイデアと実行力を持っている団体に、その取り組みを進めるための、1団体最大1億円のまとまった投資的資金を提供するプログラムです。
「みてね基金」では、より多くのNPOの皆さまに助成申請をご検討いただきたいと考え、第二期 イノベーション助成で採択した7団体に、「ソーシャル・イノベーションを起こすために大切なこと」に関する3つの質問にお答えいただきました。
全7回に渡り、各団体が考える「ソーシャル・イノベーションを起こすために大切なこと」をお届けします。
4回目は「公益社団法人東京子ども子育て応援団」創設者・事務局長 河野 司さんです。
Q. 現在取り組まれているイノベーション助成事業において、イノベーションを起こすために重視しているポイントを教えてください。
A. 便益を最大化するために、利用者視点に立ち、どれだけ課題解決できているかを重視しています。自分たち団体が何をしたいのかではなく、子育て家庭がどうすれば、よりよく生きられるようになるかを第一に考えます。本来社会がこうあれば、子育て家庭がこんなに暮らしやすくなるのに、それができない背景にある課題・社会問題は何なのか? 多くの場合、課題の所在は、この国では長く皆が当たり前と思っている事にあり、自分たち自身の内側にもあります。解決には痛みを伴う場合も多いですが、それでもどれだけ利用者の視点で、今までこの国で解決できなかった問題を、解決できるかが重要と考えています。
Q. イノベーションを起こす上で、団体や組織としてどうあるべきか、イノベーションを起こす団体に必要な要素とは何か、についてご意見をお聞かせください。
A. チームによる課題解決に向けたコミットメントと解決スキルが必要な要素と考えます。まずは、チームメンバー各自のスキルセットと経験が良い意味で補完的であること、次にチーム内のコミュニケーションが円滑で健全な相乗効果が期待できる状態であること。そして、団体としての組織的スキルセットだけでは解決できない場合に、志を共有できる外部団体・個人と提携することにより、自分たちの弱みを補完できるかが重要と考えます。当たり前の事ですが、現場を重視しつつ、課題解決に向けてどれだけ高い視線を保てるかも、イノベーション実現に向けたモチベーションを維持する上で、欠かせない要素と考えます。
Q. 最後に、貴団体にとってイノベーションとは何か、を教えてください。
A. 教えられるほどの事はやっていないので、少々恥ずかしいのですが、受け入れがたく、また短期的には動かしがたいこの国の現実と、この国のあるべき姿を橋渡しするのがイノベーションの役目ではないでしょうか。利用者視点を常に持ちながら、小さくても重要な課題解決の策を積み上げ、結果として、この国では今まで誰も為しえなかった事を実現する事がイノベーションと考えています。また実現したあかつきには、皆が同じことを違うところで展開したいと思ってくれるようなものであるほど、イノベーションとして高度なものになるとも考えます。
河野さん、ありがとうございました。
次回は「認定NPO法人3keys」代表理事 森山 誉恵さんです。