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子どもと家族に寄りそうNPO

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「みてね基金」が助成したNPO(非営利団体)の紹介記事をまとめました。
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#育児

LINEで社会的支援の“壁”を突破、誰もが支援を受けて子育てできる社会へ

認定NPO法人フローレンス「認定NPO法人フローレンス」が、困難な状況にある家庭ほど支援が届きにくいという課題を解決するため、「デジタルソーシャルワークのモデル開発とデジタル児童相談所創設」事業(以下デジタルソーシャルワーク構想)に取り組んでいる。 LINE登録するだけで、自分の地域にあった子育てお役立ち情報を入手できる他、ボタン1つで宅食支援の申込も可能。 日頃からゆるくつながっているからこそ、何気ないことも相談できる。人間相手だと言いにくいような気持ちの受け止めには、

三角定規って何? 日本社会で孤立する海外ルーツの子育て家庭を「まるごと支援」

認定NPO法人キッズドア「認定NPO法人キッズドア」は、海外ルーツの子どもとその家族の困りごとを解決するために情報発信と居場所づくりをスタート。文化や価値観、学校や子どもとの関わり方のギャップ解消を支援している。 海外から移住し、子育てをする家族は、日本と母国との文化や子育ての違いに戸惑い、困っても誰にも相談できないまま生活していることが多い。それは、子どもの孤独感や自己肯定感の低下、不就学など、解決が困難な社会課題を引き起こす要因にもなっている。 もし身近に海外ルーツの

日本に子どもの成長支援に特化したフードバンクを 〜カット済み野菜や肉、牛乳も届ける独自支援の背景〜

公益社団法人東京子ども子育て応援団「自家用車で40軒」から始まった食糧支援 公益社団法人東京子ども子育て応援団は、ひとり親家庭や障がい者家庭など、都会の中で孤立しがちな子育て家庭を「食」の面で支える活動を続ける団体です。 2015年秋、コンサルティングファーム・投資ファンド出身の河野司さんと元裁判官で弁護士の今村和彦さんによって、東京・練馬で子ども食堂をスタートすることから、地域に根差した支援活動が始まりました。 食堂の運営を通じて、「子どもたちの健やかな成長と明るい食

子育てを「まちの力」で豊かに <後編>「こまち」が描くカラフルな未来図

認定NPO法人こまちぷらす「まわりに頼らなきゃだめ」 「どうしよう」 ある日、子育て中の女性が「こまちカフェ」で悩みごとを話し始めたそうです。 聞くと、遠方に住む親族に介護が必要になったものの、どうしても自分は行くことができないとのこと。一人で抱えきれなくなったところで、「こまちカフェ」を訪れたのでした。 スタッフが商店街の人たちに相談すると、「まわりに頼らなきゃだめ」と一言。その後は一時間もかからないうちに、親族が住む地域の介護情報を集めてくれ、介護サービスの会社と

子育てを「まちの力」で豊かに <前編>ママたちがのびやかに活躍する居場所づくり

認定NPO法人こまちぷらす目指しているのは「子育てが『まちの力』で豊かになる社会」。多世代が交流できる居場所を中心に、孤立した子育てをなくし、それぞれの人の力が活きる機会をつくることに力を入れている。 人は誰かと関わり、役に立てると実感できることで社会とのつながりを感じ、自信と力を取りもどす。 「みてね基金」の採択後は、創業から10年かけて蓄積した居場所づくりのノウハウを公開するなど、全国各地で理想の居場所を実現したい団体の後押しにも注力している。 「こまち」のママたち

LINE相談でより身近に 発達障がいを支援する「家庭内療育」

特定非営利活動法人ADDS発達障がいとは心の病気ではなく、脳の機能の違い。発達を支援する「療育」によって成長をサポートできる。 「療育」には、専門家のサポートだけでなく、多くの時間を共に過ごす家族からの働きかけが重要。 「みてね基金」に採択された「特定非営利活動法人ADDS」は、発達に不安がある子どもの家族がLINEで気軽に相談できるプラットフォーム「kikotto(キコット)」の開発に力を入れている。 保護者とチームになって発達支援をサポートする 「うちの子、もしか

日本ならではの文化で社会問題に挑むお坊さんたちのチーム力

認定NPO法人おてらおやつクラブ  こんにちは、みてね基金事務局です。 「みてね基金」第二期ステップアップ助成*の採択団体の認定NPO法人おてらおやつクラブ(以下、おてらおやつクラブ)を訪問した際のレポートをお届けします。おてらおやつクラブは、お寺の「おそなえ」を仏さまからの「おさがり」として、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動です。 *第二期ステップアップ助成:子どもや家族のニーズに寄り添いながら地道に活動を続けている全国各地の団体が、事業や組織の基

医療中の子どもと家族に普段の生活を 心も休息できる施設

NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス こんにちは、みてね基金事務局です。 「みてね基金」第二期ステップアップ助成*の採択団体のNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス(以下、チャイルド・ケモ・ハウス)を訪問した際のレポートをお届けします。チャイルド・ケモ・ハウスは、小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子どもと家族が一緒に滞在できる宿泊可能な診療所を「公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金」とともに運営されています。 兵庫県神戸市、海に囲まれたポートアイランド内にチャイルド

日本で暮らす難民の子どもたちを勉強で支えるオンラインの無料学習支援

社会福祉法人 日本国際社会事業団(ISSJ)   日本在住の外国にルーツをもつ子どもとその家族をサポートしている「社会福祉法人 日本国際社会事業団」。 新型コロナウイルス禍で様々な支援を拡げるなかで、難民や難民申請をしている家族の子どもたちのために、オンラインの家庭学習支援を始めました。勉強の困りごとを解決する取り組みです。 母国を離れて日本にやってきた家族と子どもたちは全国各地で暮らしています。「みてね基金」では、新型コロナウイルス感染症拡大防止策による一斉休校でさらに

コロナ禍の海外で活動するNPO<後編> 「子どもが売られない世界」を目指し、 ”サバイバー”の「生きる力」を支援

特定非営利活動法人ACE  認定NPO法人かものはしプロジェクト 新型コロナウイルスの影響で、さらなる困難に直面する海外の子ども、家族を支援しようと積極的な動きを見せてきた「特定非営利法人ACE」と「認定NPO法人かものはしプロジェクト」。 前編の記事では、両団体の活動内容を紹介した上で、「みてね基金」の助成対象となったコロナ禍での緊急支援について「ACE」の取り組みを中心に伺いました。続く後編では、「かものはしプロジェクト」がこの1年で注力した緊急支援について、現地の活動

コロナ禍の海外で活動するNPO<前編> 児童労働を解消し、教育が行き届く世界へ

特定非営利活動法人ACE  認定NPO法人かものはしプロジェクト 「みてね基金」では、国内だけではなく海外の子どもたち、家族への支援を行う団体も応援しています。第一期助成先団体として採択した「特定非営利法人ACE(エース)」と、「認定NPO法人かものはしプロジェクト」は、途上国を拠点に子どもの教育格差や不当な児童労働の解消、子ども・女性の性的人身取引問題の解決のために活動する団体です。現地に根付いた活動実績で、国内外から信頼を集めています。新型コロナウイルスの影響を受けて、一

病気の子どもたちに「楽しい」を届ける コロナ禍で見つけた新しい支援

NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス小児がんや医療的ケアが必要な子どもと若年成年、またその家族が安心して過ごせる場所づくりに取り組んでいるNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス。兵庫県で、自宅と病院の中間的な施設「チャイルド・ケモ・ハウス」を運営しています。 「チャイルド・ケモ・ハウス」は、このコロナ禍で失われそうになった支援をオンラインと居場所づくりで継続させてきました。今回、「みてね基金」は、これまで圧倒的な行動力で思いを形にしてきた活動のこの新たなチャレンジに期待を込めて、

ネットとデータの力で福祉を変える 悩みを一人で抱える子どもたちに支援を届けたい

認定NPO法人3keys  はじまりは、児童養護施設の学習支援ステイホームの呼びかけと共に、自宅でより多くの時間を過ごす人が増えたこの1年。「大切な家族との関係性が深まった。」という声もある一方で、児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)が増加していることが指摘されています。 2020年春の一斉休校などで子どもへの虐待が家庭外から見えづらくなった状況にいち早く対応し、活動を強化したのが「認定NPO法人3keys(スリーキーズ)」。2009年、慶應義塾大学法

「おそなえ」で子どもの貧困を解決 お寺がつなぐ笑顔の輪

認定NPO法人おてらおやつクラブ  お寺の「ある」と社会の「ない」を組み合わせる 地域に必ず一つはあるお寺。お寺には昔から地域の人や檀家さんたちがお菓子やお米、果物、野菜などを仏さまに「おそなえ」をする習わしがあり、日本では当たり前の文化として大切に受け継がれています。 奈良県の安養寺に事務局がある「おてらおやつクラブ」は、こうした「おそなえ」を、僧侶がおつとめをした後に、仏さまからの「おさがり」として子どもやひとり親家庭を支援する団体を通して家庭に「おすそわけ」する活動を